第1章:東京市場(アジア時間)

ジュンさん、FXって24時間取引できるって聞いたけど、どうしてなんですか?



そうだね、FXは世界中のどこかで必ず市場が開いているからなんだ。日本時間の朝は“東京市場”が動き出すタイミングだよ。



東京市場ってどんな特徴があるんですか?



東京市場はアジア地域の経済指標やニュースに反応しやすいんだ。特に円や豪ドル、NZドルの動きが目立つよ。動きは比較的ゆっくりだから、初心者にも向いている時間帯なんだ。



ゆっくりって安心できそうですね。



ただし、重要な経済発表や日銀の金融政策発表がある日は一気に動くこともあるから要注意だよ。
東京市場は日本時間の午前9時~午後5時に活発になります。
この時間帯はアジア各国(日本、中国、オーストラリア、ニュージーランドなど)の市場が中心で、
為替レートは比較的安定した小幅な値動きが多く見られます。
特に注目すべき通貨ペアは以下の通りです。
- USD/JPY(ドル円):日本の経済ニュースや日銀発表に敏感
- AUD/JPY(豪ドル円)、NZD/JPY(NZドル円):豪州・NZの指標や資源価格の影響を受けやすい
東京市場はボラティリティ(値動きの大きさ)が比較的低く、レンジ相場(価格が一定の範囲内で動く)になりやすい特徴があります。
初心者はこの時間帯でチャートの動きに慣れる練習をするのもおすすめです。
第2章:ロンドン市場(欧州時間)



じゃあ、東京市場の次は?



午後になると“ロンドン市場”が動き出す。ここからが本番って感じかな。



なんでですか?



ロンドンは世界最大の為替取引都市で、取引量が一気に増えるんだ。しかも東京市場の終わりと重なる時間があって、短時間で大きく動くことが多い。



なるほど…つまり稼ぎやすい時間?



チャンスは多いけど、リスクも大きい。方向感が出やすいけど、急な値動きに飲まれないよう注意が必要だよ。
ロンドン市場は日本時間の午後4時~翌午前1時に活発になります。
この時間帯は世界の取引量の約4割を占めるほど大きな市場で、取引が最も活発化する時間帯です。
特徴は以下の通りです。
- 取引量が急増:東京市場と重なる時間(午後4時~午後5時)に特に値動きが大きくなる
- トレンドが発生しやすい:重要経済指標の発表が多く、市場参加者も増えるため、一方向に強く動く傾向
- 欧州通貨が活発:ユーロ(EUR)、英ポンド(GBP)が主役。特にEUR/USDやGBP/USDは値動きが大きくなる
ロンドン市場は中上級者に人気ですが、初心者も方向性が出やすい時間帯を活用すれば効率的に稼げます。
第3章:ニューヨーク市場(米国時間)



ロンドン市場の後はニューヨーク市場ですね?



そう。ニューヨーク市場は日本時間の午後9時~翌午前6時が中心。米国の経済指標やニュースに反応して、大きな値動きが起こることが多いよ。



夜遅いから、日本の人は兼業トレーダー向けですか?



その通り。仕事終わりにトレードする人が多いね。ロンドン市場と重なる午後9時~午前1時は、1日の中で最も取引が活発になる時間帯なんだ。
ニューヨーク市場はロンドン市場に次ぐ世界第2位の規模を持つ市場で、
特に米ドルは世界の基軸通貨としてほぼ全ての通貨ペアで取引されます。
特徴は以下の通りです。
- 米国の経済指標発表が多い:雇用統計、GDP、CPI(消費者物価指数)など重要指標が相場を大きく動かす
- ロンドン市場との重複時間が激戦区:午後9時~午前1時は取引量・値動きともにピーク
- 終盤は値動きが落ち着く傾向:午前2時以降はロンドン市場も終了し、参加者が減少するため動きが緩やかに
ニューヨーク市場は短時間で大きな値幅が出ることも多く、デイトレードやスキャルピング(短期売買)に適しています。
第4章:3大市場の関係と活用法



3つの市場って全部つながってる感じですね。



そうだね。東京→ロンドン→ニューヨークと、世界を時計回りに資金が移動しているんだ。



ってことは、前の市場の流れが次の市場に影響するんですか?



その通り。例えば、東京市場でのレンジ相場がロンドン市場でブレイクする、なんてこともよくあるよ。



なるほど…市場の特徴を知っておくと、戦略も立てやすそう!
FXの3大市場(東京・ロンドン・ニューヨーク)は、時差によってリレーのようにつながっています。
この流れを理解すると、例えば以下のような戦略が立てやすくなります。
- 東京市場の動きでレンジかトレンドかを予測
- ロンドン市場で方向性が出たら順張りエントリー
- ニューヨーク市場で大きく動いた後は利確や逆張りを検討
また、経済指標発表スケジュールを把握しておくことで、無駄な損失を避けられます。



毎日取引を始める前に、その日に重要な経済指標などの発表がないか事前にチェックしておくことは必須なんだ。
まとめ:市場の特徴を理解してFXを有利に進めよう
- 東京市場(9:00〜17:00):値動きが穏やか、円や豪ドル、NZドルに注目
- ロンドン市場(16:00〜1:00):取引量最大、トレンドが出やすい
- ニューヨーク市場(21:00〜6:00):米国指標で急変動、短期売買向き
市場ごとの特徴を知ることで、自分の生活リズムに合った時間帯や、狙いやすい通貨ペアが見えてきます。
初心者は東京市場で基礎練習、中上級者はロンドン・ニューヨーク市場で利益を狙う、といった形で段階的に進めるのがおすすめです。