はじめに
FXのトレードでは「いつ取引するか」によって、値動きの大きさや特徴がまったく違います。
同じ通貨ペアでも、朝・昼・夜で動き方が変わるため、自分の生活リズムや得意な戦い方に合わせた時間帯を選ぶことが重要です。
第1章:朝の時間帯(東京市場)

ジュンさん、朝のトレードってどうなんですか?私は朝起きてからチャートを見ることが多いんですけど、あんまり動いてない気がして…



そうだね。朝は主に東京市場が動いている時間帯だ。だいたい日本時間の9時からスタートして、15時くらいまでがメインだよ。



なるほど…じゃあ、値動きが少ないのは普通なんですか?



そう。東京市場は欧米に比べると参加者が少ないから、ボラティリティ(値動きの大きさ)が小さい傾向にある。
でもね、動きが小さい分、レンジ相場(一定の範囲で上下する動き)になりやすくて、短期的に細かく利益を狙うスキャルピングには向いているんだ。



そうなんですね。じゃあ朝はゆっくりした動きだから初心者にもいいかもしれませんね。
【補足解説】
- 時間帯:日本時間 9:00〜15:00(東京市場)
- 値動きの特徴:比較的小さく安定、レンジ相場が多い
- 向いている戦略:
- スキャルピング(数分〜数十分で取引)
- レンジトレード(高値と安値の間で売買)
- 注意点:
- 急なニュースや日銀の発表があると、一時的に大きく動くことがある
- 海外勢の参加が少ないため、長期トレンドは発生しにくい
第2章:昼の時間帯(欧州市場スタート前後)



ジュンさん、お昼ってどうなんですか?なんとなく中だるみの時間って感じがしますけど。



確かに、日本時間の12時〜15時はまだ動きが少ないけど、16時を過ぎると少しずつ雰囲気が変わるよ。ヨーロッパ勢が市場に入ってくるからね。



あっ、ロンドン市場が始まる時間ですね!



そうそう。ロンドン市場は世界で一番取引量が多いから、流れが大きく変わることもある。特に16時〜18時あたりは短期的なトレンドが出やすい時間帯だよ。



ということは、昼から夜にかけては大きく稼げるチャンスも増えるんですね。
【補足解説】
- 時間帯:日本時間 12:00〜18:00(欧州勢参入前後)
- 値動きの特徴:
- 昼過ぎまでは静か
- 16時以降、ロンドン市場オープンで急に活発化
- 向いている戦略:
- 欧州勢の参入直後を狙ったブレイクアウト(レンジ抜け)戦略
- 中期デイトレードのエントリー
- 注意点:
- ロンドン勢の仕掛けで逆方向に振れることも多い
- ポジションを持つなら、欧州時間のトレンド転換に注意
第3章:夜の時間帯(ニューヨーク市場)



ジュンさん、夜は一番動くって聞いたんですけど本当ですか?



うん、本当だよ。夜はニューヨーク市場が開くからね。日本時間の21時〜翌2時くらいが特に活発だ。



それって、ロンドン市場とも重なってますよね?



そう、その時間帯を『ロンドン・ニューヨーク重複時間』って呼んでて、取引量も値動きも最大になる時間帯なんだ。
この時間は大きなトレンドが発生することも多いし、経済指標の発表も集中するから、短時間で大きく稼げる可能性がある。



なるほど…でも大きく動くってことは、損失も大きくなりやすいんですよね?



そう、その通り。だから夜のトレードはチャンスもリスクも大きいんだ。資金管理がすごく大事になるよ。
【補足解説】
- 時間帯:日本時間 21:00〜翌2:00(ニューヨーク市場)
- 値動きの特徴:
- 取引量・値動きともに最大
- 経済指標発表が多く、急変動リスクあり
- 向いている戦略:
- トレンドフォロー(強い方向に乗る)
- 指標発表後の順張りまたは逆張り
- 注意点:
- 値動きが激しいため損切りの設定が必須
- 長時間チャートを見る体力も必要
まとめ:時間帯ごとの特徴と使い分け
時間帯 | 主な市場 | 値動き | 向いている戦略 | 注意点 |
---|---|---|---|---|
朝(9:00〜15:00) | 東京市場 | 小さい・安定 | スキャル・レンジ | 突発ニュースに注意 |
昼(12:00〜18:00) | 欧州前後 | 静→活発化 | ブレイクアウト・デイトレ | ロンドン勢の逆方向仕掛け |
夜(21:00〜翌2:00) | NY市場 | 最大・荒い | トレンドフォロー・指標トレード | 急変動リスク大 |
最後に
トレードは「いつやるか」で結果が大きく変わります。
朝は安定、昼は転換点、夜は爆発的な値動き――。
自分の性格や生活リズムに合った時間帯を選べば、無理なく継続でき、成績も安定しやすくなります。
焦らず、自分にとってベストな時間帯を見つけていきましょう。



会社員や学生の方で夕方~夜にかけてのみ取引できる方は多いと思います。自分に合ったトレード方法を選択することが大切です。