第1章:スプレッドのおさらい

ジュンさん、FXって口座開設も取引も無料って聞くんですけど、本当に手数料ないんですか?



確かに株取引みたいな“1回〇円”の取引手数料はほぼない。でも“見えない手数料”はあるよ。



見えない手数料…? 怖い響きですね。



例えば前回説明した“スプレッド”だね。これは買値と売値の差のこと。



覚えてます! 取引画面で“Bid”“Ask”って数字がちょっと違うやつですよね?



そうそう。その差がスプレッド。これは実質的に取引するたびに払うコストなんだ。
補足説明:スプレッドとは
- 定義:FX会社が提示する「買値(Ask)」と「売値(Bid)」の差額。
- 例:USD/JPYが「Bid:150.000」「Ask:150.003」の場合、スプレッドは0.3銭。
- なぜ発生する?
- FX会社の収益源の一つだから。
- 市場の流動性や時間帯によって広がることもある(特に早朝や指標発表時)。
- ポイント:
- スプレッドが狭いほど取引コストは安い。
- スキャルピングやデイトレードでは特に重要。
第2章:スワップポイントって何?



スプレッドはわかりました。じゃあスワップって何ですか?



スワップは国ごとの金利差を利用した“金利調整”みたいなもの。



金利差? 銀行預金の利息みたいな?



似てるけどちょっと違う。FXでは、金利が高い通貨を買って低い通貨を売ると、その差分をもらえることがあるんだ。



じゃあ毎日お金が増えるんですか?



逆の場合は毎日払うことにもなるよ。スワップは両刃の剣なんだ。
補足説明:スワップポイントとは
- 定義:通貨ペアの2国間の金利差を反映した調整金。
- プラススワップ:高金利通貨を買い、低金利通貨を売った場合にもらえる。
- マイナススワップ:逆に低金利通貨を買って高金利通貨を売ると支払う。
- 受け取り・支払いのタイミング:基本的に毎日付与される(ニューヨーク市場クローズ時)。
- 注意点:
- FX会社によって同じ通貨ペアでもスワップ額は異なる。
- 金利情勢によってプラスがマイナスに変わることもある。
第3章:口座の維持費やその他の費用



じゃあ、口座維持費はかかるんですか?



日本のFX会社は基本無料。でも長期間放置すると“休眠手数料”がかかる場合もある。
ユイ:「知らなかった…。」



休眠手数料!?知らなかった…。



あと、海外FX業者だと出金手数料や入金手数料がかかることもあるから注意だね。
補足説明:その他の費用一覧
- 口座維持手数料
- 国内FX:ほぼ無料
- 海外FX:休眠状態が続くと発生する場合あり
- 入出金手数料
- 国内FXは無料が多いが、銀行振込時は銀行側の振込手数料がかかる
- 海外FXは出金時に30ドル程度かかることも
- ロスカット手数料
- 強制ロスカット時の手数料は基本無料だが、スプレッド分の損失は発生
- 自動売買(EA)利用料
- 自作なら無料、外部購入は数千円〜数十万円
第4章:取引コストを抑えるコツ



手数料って意外と色々あるんですね…取引コストを減らす方法ってありますか?



もちろんあるよ。簡単に言えば“スプレッドの狭い業者を選ぶ”“不必要なポジションを長く持たない”の2つが基本だね。



なるほど、コツコツ節約って大事ですね。
補足説明:コスト削減のポイント
- スプレッドの狭い業者を選ぶ
- 特に短期売買では0.2〜0.3銭の差が積み重なる
- スワップポイントも比較
- 長期保有ならプラススワップが高い業者
- 必要以上にポジションを保有しない
- マイナススワップのポジションを長く持つと大きな損失に
- 取引回数を抑える
- 無駄なエントリーを減らすことでスプレッドコスト削減
まとめ:FXの手数料は“見えないコスト”に注意
FXは「取引手数料無料」と宣伝されることが多いですが、実際には以下のコストが存在します。
- スプレッド(売値と買値の差)
- スワップポイント(金利差による調整金)
- その他手数料(入出金、休眠、海外送金など)
これらは一見小さい額でも、取引回数や期間が増えると大きな差になります。
そのため、FXを始める際は“取引環境の比較”と“コスト管理”が成功への第一歩です。