はじめに

ジュンさん、FXの口座を比べてたら“スプレッドが狭い・広い”ってよく書いてあるんですけど……。これってそんなに大事なんですか?



お、いいところに気づいたね。実はスプレッドは“見えない手数料”みたいなものなんだ。だからトレードする回数が多い人ほど、すごく影響してくるんだよ。



えっ、でも数pipsくらいでしょ?それぐらいなら誤差じゃないんですか?



そう思う初心者は多い。でもね、ちょっと計算してみようか。
第1章:スプレッドとは何か?



そもそもスプレッドって何なんですか?



スプレッドは“買値(Ask)”と“売値(Bid)”の差だよ。例えばドル円の買値が150.000円で、売値が149.998円だったら、その差は0.2pips。これがスプレッド。



なるほど。つまりエントリーした瞬間にマイナスからスタートする理由はスプレッドなんですね!



その通り。最初から“見えない手数料”を払ってるようなものだから、スプレッドが狭い口座ほど有利になるんだ。
第2章:小さい差が積み重なる恐怖



でも……0.2pipsと1.0pipsって、たった0.8pipsの差ですよね。そんなに大きな違いになるんですか?



じゃあ例を出してみよう。ユイが1日に10回トレードするスキャルパーだとするね。1回あたり1Lot(10万通貨)取引したら、0.8pipsの差は1回で800円の違いになる。



えっ、800円!?1回でそんなに?



そう。これが10回なら8,000円。1か月20日トレードすれば16万円もの差になるんだ。



うわぁ……。塵も積もれば山ですね。



まさにその通り。スプレッドの大小は、長期的に見れば資金効率に直結するんだよ。
第3章:トレードスタイル別の影響



じゃあ、スプレッドが広い口座は絶対に不利なんですか?



一概にそうとも言えないよ。たとえば長期トレーダーは、1回のトレードで狙う利益幅が大きいから、多少のスプレッド差はあまり気にならない。10円の値幅を狙うスイングトレードなら、1pipsの差なんて誤差に近い。



なるほど。じゃあ短期トレードほどスプレッドに敏感になった方がいいんですね。



その通り。特にスキャルピングは“スプレッドの差=勝敗の差”になるくらい大事なんだ。
第4章:スプレッドと相場の状況



でも、スプレッドって固定じゃないんですよね?



そうだね。口座によって“固定スプレッド”と“変動スプレッド”がある。例えば指標発表時や流動性が低い時間帯は、スプレッドが急に広がることもあるんだ。



うわ、それ知らずにトレードしたら危険ですね。



だからトレードする時間帯や経済指標の有無を意識することも大事。常に“見えないコスト”が変動していると覚えておこう。
補足解説:スプレッドの基本まとめ
ここからは、会話で出てきた内容を整理していきます。
1. スプレッドとは
- 買値(Ask)と売値(Bid)の差
- 実質的には「FX会社に払う手数料」
- エントリー直後にマイナスから始まるのはスプレッドのため
2. スプレッドの差が与える影響
- 1Lot(10万通貨)あたり1pips=1,000円
- 0.5pipsの差でも、1日10回・1か月200回トレードすれば 10万円以上のコスト差
- 特にスキャルピングやデイトレードでは死活問題
3. トレードスタイル別の重要度
- スキャルピング:超重要。勝率に直結
- デイトレード:やや重要。積み重ねれば大きな差
- スイングトレード:そこまで気にしなくても良いが、狭い方が有利
4. 固定スプレッドと変動スプレッド
- 固定スプレッド:常に一定(安心感はあるが広めに設定されることが多い)
- 変動スプレッド:普段は狭いが、相場が荒れると一気に広がる
5. スプレッド以外のコストにも注意
- スワップポイント
- 取引手数料(ECN口座などでは別途発生)
- 約定力(思った値段で約定しないと余計なコストになる)
まとめ:スプレッドを制する者がトレードを制す
スプレッドは一見すると小さな数字に見えます。
しかし、トレードを繰り返すごとに確実に積み重なり、長期的には勝敗を左右するほどの影響力を持っています。
- 短期トレードほどスプレッドが重要
- 長期でも狭いに越したことはない
- 相場状況によって広がることもあるので注意
つまり、FXで生き残るためには「スプレッドを甘く見ない」ことが大切なのです。



ユイ、覚えておくんだ。“スプレッドの大小は侮れない”。小さな差が、未来の資産を大きく変えるんだからね。



はい!今日からちゃんと口座選びも意識します!
👉 チェックポイント
- 口座を選ぶときは「スプレッドの狭さ」だけでなく「約定力」「手数料」「サーバーの安定性」も見ること。
- 自分のトレードスタイルに合った口座を選ぶことが、長期的な勝率アップにつながります。