第1章:分析の種類について

ジュンさん、前回教えてもらった“ファンダメンタルズ分析”と“テクニカル分析”っていう言葉がよく出てくるんですけど、どっちが大事なんですか?



両方大事なんだけど、俺は“テクニカル分析”を優先してるよ。



え?ファンダメンタルズ分析って、経済指標やニュースを見るやつですよね?そっちの方が重要そうな気がしますけど…。



たしかに、ファンダメンタルズ分析は長期の方向性を知るには役立つ。でも短期〜中期でトレードするなら、チャートの動き=テクニカル分析の方が判断スピードも精度も高いことが多いんだ。



なるほど…でも、なんでスピードとか精度が関係あるんですか?
補足解説:ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の違い
- ファンダメンタルズ分析
経済指標(GDP、雇用統計、インフレ率など)、金利、政治情勢、地政学リスクなどを基に通貨の価値を判断する方法。
例:「アメリカの金利が上がるからドル高になりやすい」 - テクニカル分析
過去のチャート(ローソク足、移動平均線、RSIなど)から値動きのパターンやトレンドを分析して、売買ポイントを決める方法。
例:「サポートラインで反発したから買い」 - 違いのまとめ
- ファンダメンタルズ分析:長期的傾向をつかむのに強い
- テクニカル分析:短期〜中期の売買タイミングに強い
第2章:なぜテクニカル分析を優先するのか?



でも、ファンダメンタルズ分析で方向が分かれば勝てるんじゃないですか?



方向が分かっても、“いつ入るか”と“どこで利益確定するか”までは分からないことが多いんだよ。



あ…たしかに。金利が上がるからって、すぐドル高になるとは限らないですもんね。



そう。それにFXでは、たった数分〜数時間の値動きで利益を取ることも多いから、リアルタイムで反応できるテクニカル分析の方が優先度が高い。
補足解説:タイミングの重要性
- ファンダメンタルズは方向性の予想に役立つが、タイミングは不明確
- テクニカルはエントリーと決済のタイミングを明確にできる
- 短期トレード(スキャルピング・デイトレ)ではタイミングが命
第3章:市場は常に情報を織り込んでいる



でもニュースが出てからトレードしても間に合うことってありますよね?



実は、多くの場合“ニュースが出る前”から市場は動いているんだ。つまり、プロや機関投資家はすでに予想を織り込んでポジションを持っていることが多い。



じゃあ、ニュースを見てから動くと遅いってことですか?



そういうこと。だからチャートを見てれば、ファンダメンタルズの変化が値動きに現れた瞬間に気づける。
補足解説:織り込み済みの動き
- 市場はニュース発表前から反応を始めることが多い
- 例:雇用統計が良い予想なら、発表前にドル買いが進む
- テクニカル分析で値動きの変化を察知 → 早く行動できる
第4章:感情に左右されない判断



でもテクニカル分析って、インジケーターとかラインとかいっぱいあって難しくないですか?



最初はそう感じるかもしれないけど、慣れれば数字と形だけで判断できるから、感情に振り回されにくいんだ。



あ、ニュース見て“やばい!”って慌てること、私よくあります…。



それがファンダだけだと、つい感情的になってしまう。テクニカルなら、事前にルールを決めておける。
補足解説:感情を排除できる理由
- ファンダ:ニュースやコメントに反応 → 感情的になりやすい
- テクニカル:事前ルールで機械的に判断できる
- 長期的に勝つためには感情のコントロールが不可欠
第5章:結論 – バランスは大事だが優先度はテクニカル



じゃあ、ファンダメンタルズは勉強しなくてもいいんですか?



いや、ファンダも大事。ただ、俺の場合は**“まずテクニカルでタイミングを決める”**ことを優先してる。その上で、ファンダで大きな方向感を確認する感じだね。



なるほど…テクニカルで戦術を、ファンダで戦略を立てるって感じですね!



そうそう、そのイメージが一番近い。
まとめ:なぜテクニカル分析を優先するのか?
- 短期トレードではタイミングが命
→ テクニカルでエントリー・決済ポイントを明確化 - 市場はニュースを織り込み済み
→ チャートの動きが先に変化することが多い - 感情に左右されにくい
→ ルール化できるので安定した判断が可能 - ファンダは補助として使う
→ 長期方向の確認や大きなイベント時の判断材料に
最後に
FXでは「テクニカル分析だけ」でも「ファンダメンタルズ分析だけ」でも限界があります。
しかし、短期〜中期のトレードで成果を出すためには、テクニカル分析を優先し、ファンダメンタルズ分析を補助的に使う戦略が有効です。
あなたがもし今、「ニュースに振り回されてしまう」「エントリーのタイミングが分からない」と感じているなら、まずはテクニカル分析を磨くことから始めてみてください。