初心者・中級者向け用語を覚えたら、次は上級者向けの用語を覚えていきましょう。実際に取引をするだけなら必要でない用語もありますが、外部で知見を得たり調べる際に役に立ちます。

聞きなれない用語も多いと思うけど、少しずつ覚えていこう!
【市場・注文関連編】
■ 板情報(オーダーブック)
市場に出ている買い注文・売り注文の数量や価格帯を一覧で見られる情報。流動性やサポート・レジスタンスの目安となる。
■ NDF(ノンデリバラブルフォワード)
一部新興国通貨などで現物の受け渡しを伴わない先物契約。主にヘッジや投機に使われる。
■ カバー取引
FX会社が顧客の注文に対して、自社リスクを減らすためにインターバンク市場などで反対売買する取引。
■ スポット取引
即日~2営業日以内に決済する通常の為替取引。FX取引の基本形。
■ フォワード取引
将来の特定の日付に通貨を売買する契約。ヘッジや企業取引で活用される。
■ オプション取引
ある価格で売買する「権利」を売買する取引。損失を限定し、利益を狙う戦略が可能。
■ カウンターパーティーリスク
取引相手(金融機関やFX会社)が倒産した場合に生じるリスク。
■ VWAP(出来高加重平均価格)
一定期間内の平均約定価格を出来高で加重した値。大口取引の基準として利用される。
■ スワップレート
通貨間の金利差から生じる金利調整額。日をまたいでポジションを保有する場合に発生する。
【テクニカル分析・戦略編】
■ エリオット波動理論
相場が「波」のように繰り返すパターンをもとに、次の動きを予測する理論。
■ サイクル理論
相場には一定の周期性があると考える分析手法。短期・中期・長期などのサイクル(周期)を把握し、トレンドの転換や次の値動きを予測する。ウォールストリートサイクル、ビジネスサイクル、太陽活動周期など、さまざまな周期が意識される。
■ プライスアクション
インジケーターを使わず、ローソク足やチャート形状のみで相場の動きを判断する手法。
■ アルゴリズムトレード
プログラム(ロボット)を使って自動的に取引する手法。高速売買や複雑な条件のトレードに対応。
■ Ichimoku(一目均衡表)
日本発祥のテクニカル指標。複数の線を使ってトレンドやサポート・レジスタンスを把握する。
■ パラボリックSAR
トレンド転換ポイントを示すインジケーター。売買タイミングの目安となる。
■ ATR(平均的な値幅)
相場の平均的な変動幅を示す指標。ボラティリティ判断に使用される。
■ モメンタム
価格の上昇や下落の勢いを示す指標。トレンドの強弱を判断する。
■ チャネルライン
トレンドラインを上下に引き、価格の動く範囲を予測する分析手法。
■ スプレッドベッティング
価格の上下を予測し、差額を利益・損失とする金融取引。英国などで利用される。
■ クラスター分析
短時間に集中する注文の価格帯を視覚化し、市場の注目ポイントを把握する手法。
【ファンダメンタルズ・市場要因編】
■ イールドカーブ
短期から長期までの国債金利をつなげたグラフ。景気の先行きを読む材料になる。
■ 量的緩和(QE)
中央銀行が市場に大量のお金を供給して景気回復を目指す政策。為替レートや金利に影響する。
■ インフレターゲット
中央銀行が目指す物価上昇率。多くの先進国では2%前後が目標。
■ クオンツ分析
数学や統計を用いて相場を分析する手法。アルゴリズムトレードに活用される。
■ リバランス
投資ポートフォリオの配分を調整すること。四半期末や年末に大規模に行われることが多い。
■ マクロ経済分析
国全体の経済指標や政策を通じて相場を分析する方法。
■ フローとセンチメント
実際の資金の流れ(フロー)や市場参加者の心理状態(センチメント)を分析する手法。
■ CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)
国や企業の信用リスクを取引する金融商品。国の財政不安などを読み解く指標。
■ リアルマネーフロー
中央銀行や年金基金など、実需ベースで動く資金の流れ。投機筋とは異なる大口フロー。
■ タームプレミアム
長期金利に含まれる将来不確実性に対するプレミアム。債券市場の構造理解に不可欠。
【リスク管理・資金管理編】
■ ヘッジ
リスクを抑えるために、反対のポジションを持つこと。損失を最小限に抑える効果がある。
■ VaR(バリュー・アット・リスク)
一定期間内にどのくらいの確率でどれだけ損失が発生するかを数値化するリスク管理手法。
■ ストレステスト
極端な市場環境下で自分の資金やポジションがどれだけ耐えられるかを事前に確認する分析手法。
■ シャープレシオ
リスク1単位あたりの収益効率を示す指標。高いほど安定した成績とされる。
■ ベータ値
市場全体の変動と比べた個別資産のリスク度合い。1より大きければ市場より変動が大きい。
■ エクスポージャー
現在保有しているポジション全体のリスク量。
■ コリレーション(相関係数)
異なる通貨ペアや商品などがどれだけ同じ方向に動きやすいかを示す。
■ カルマ比
利益率とドローダウン期間のバランスを示すリスク指標。長期的安定性を評価する際に使用。
■ モンテカルロシミュレーション
ランダムな値動きを多数回シミュレーションし、収益やリスクの予測精度を高める手法。
【その他 専門用語】
■ マーケットメイカー
市場で常に売値・買値を提示し、流動性を提供する業者。
■ リクイディティプロバイダー(LP)
FX会社に対して通貨の売買レートを提供する大手金融機関やヘッジファンド。
■ ダークプール
非公開の電子取引市場。大口投資家が影響を与えずに取引するために使う。
■ フラッシュクラッシュ
瞬間的に相場が急落する現象。過去にドル円やポンドで発生。
■ ミクロストラクチャー
市場内部の注文の流れや取引構造など、短期的な価格形成メカニズムの分析。
■ スマートオーダールーティング(SOR)
複数の取引所やLPの中から、最も有利な価格で自動的に約定させるシステム。
■ ヘッジファンド
大規模な資産を運用し、裁量・クオンツ・マクロ戦略など多様なアプローチで利益を狙う投資ファンド。
【まとめ】
別記事でも紹介した①②の用語と合わせて理解することで、世界の金融市場や短期・長期の相場の背景を深く読み取れるようになります。知識をつけるだけでなく、実際にニュースやチャートと照らし合わせながら学んでいくことが、実力アップの近道です。



用語を一気に覚えようとするのではなく、分からない時にその都度調べると覚えやすいよ!